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開業して最初の仕事が終わると、次にやるのが請求書です。Excelで作ってよいのか、ツールを入れるべきか。インボイスの登録番号はどこに書くのか。ここで手が止まる方は多いはずです。
先に結論です。
- 請求書の形は自由です。Excelでも、決まった項目が書いてあれば問題ありません
- それでもツールを使う理由は、会計ソフトへの記帳が減ることです。無料で始められるものが3つあります
- インボイス登録をしている方は、2割特例が2026年分で終わります。2027年分と2028年分は「3割特例」になります
⚠ この記事の数字について
料金と制度は、2026年9月27日に各社と国税庁の公式ページで確認したものです。料金は特に書いていないかぎり税抜です。料金は改定されるので、申し込む前に公式ページでご確認ください。
1. 請求書に書くこと(インボイス登録している人・していない人)
インボイス発行事業者に登録している方が出す請求書(適格請求書)には、次の6つが必要です。
- 書類を作った人の氏名または名称と、登録番号(T+13桁)
- 取引の年月日
- 取引の内容(軽減税率の対象品目なら、その旨)
- 税率ごとに分けて合計した金額(税込または税抜)と、適用税率
- 税率ごとに分けた消費税額
- 受け取る側の氏名または名称
小売業・飲食店などが出すレシートのような書類は、④か⑤のどちらかでよく、⑥は要りません。
出典:国税庁 タックスアンサー No.6625 適格請求書等の記載事項(2026年9月27日確認)
登録していない方は、登録番号は書けません。請求書そのものは出せますが、受け取った会社は、その消費税を全額は差し引けません。差し引ける割合は、2026年10月から2年間は70%、2028年10月から2年間は50%、2030年10月から1年間は30%、2031年10月からは0%です。
取引先が会社の場合、ここで値下げや登録を求められることがあります。登録するかどうかは、取引先と自分の売上の中身で決まるので、迷ったら税務署か税理士に相談してください。
出典:国税庁 令和8年度税制改正特集(2026年9月27日確認)
2. 2割特例は2026年分まで。2027年分からは3割特例
インボイス登録をきっかけに免税から課税事業者になった個人事業主は、売上にかかる消費税の2割だけを納めればよい「2割特例」を使えました。
2割特例は、令和8年(2026年)9月30日を含む課税期間で終わります。個人事業主は2026年分の申告が最後です。
そのあと、2027年分と2028年分の2年間は「3割特例」が使えます。条件は次の3つです。
- 個人事業者であること(法人は使えません)
- 2年前の課税売上高が1,000万円以下であること(2027年分なら2025年、2028年分なら2026年の売上)
- インボイス発行事業者の登録を受けていること
使うときは、確定申告書にその旨を書き添えます。2029年分からは、2割特例も3割特例も使えません。
金額で見るとこうなります。売上にかかる消費税が1年で50万円の方の場合です(国と地方の内訳は省いた概算)。
| 申告する年分 | 使える特例 | 納める額の目安 |
|---|---|---|
| 2026年分 | 2割特例 | 10万円 |
| 2027年分・2028年分 | 3割特例 | 15万円 |
| 2029年分から | なし | 一般の計算か簡易課税 |
同じ売上でも、納める額が年5万円増えます。毎月の入金から取り分けておく額を見直す時期です。消費税がいつからかかるかの基本は、消費税はいつから払うのか|売上1,000万円の壁と判定の仕組みにまとめています。
出典:国税庁 インボイス制度に関する令和8年度税制改正について(PDF)(2026年9月27日確認)
3. 無料で始められる請求書ツール3つを比べる
3つとも、会計ソフトの会社が出しているツールです。どれもインボイスの記載に対応しています。
| Misoca(弥生) | freee請求書 | マネーフォワード クラウド請求書 | |
|---|---|---|---|
| 無料で使える範囲 | 月10通まで、ずっと無料(最大2か月の無料体験のあと) | 枚数・期間とも無制限(定期請求は1件まで) | 1か月の無料お試しのあと、取引先3件・メール送信月30件までの無料枠(郵送代行は使えない) |
| 有料のいちばん安いプラン | プラン15:年8,800円(月15通まで)。初年度無料(2027年3月31日までの申し込み) | スタンダード:月1,980円 | パーソナルミニ:年10,800円(年払い)。確定申告の機能込み |
| 郵送代行 | 1通210円(税抜・有料プランのみ) | 1〜6枚で1通210円(切手代込み。税込か税抜かは公式に記載なし) | 1通210円(税抜・有料プランのみ) |
| 会計ソフトとの連携 | 弥生・freee・マネーフォワードの会計へ仕訳を送れる | freee会計の個人有料プラン(スターター以上)か、freee請求書の有料プランで連携 | 同じ会社の確定申告と一体 |
出典:Misoca 料金プラン/freee請求書 無料プラン・料金・郵送料金/マネーフォワード クラウド請求書 個人向け料金(いずれも2026年9月27日確認)
マネーフォワードは2026年12月1日に個人向けの料金を改定します。パーソナルミニの年払い(10,800円)は据え置き、月払いは1,280円から1,680円になります。
出典:マネーフォワード 料金改定のお知らせ/無償利用状態について・プランごとの上限・郵送料金/freee 会計との連携の条件/Misoca 無料プラン(いずれも2026年9月27日確認)
4. 選び方は「会計ソフトに合わせる」
簿記の見かたでいうと、請求書を出した時点で「売掛金」が立ち、入金された時点で消える、という2回の記帳が発生します。請求書ツールと会計ソフトがつながっていれば、この2回を手で打たずに済みます。選ぶ基準は、ほぼこれだけです。
- freee会計を使う(使う予定) → freee請求書。無料で枚数の上限もありません
- マネーフォワードで確定申告する → 確定申告のプランに請求書が入っているので、別に契約しなくて済みます
- 弥生の会計を使う、または会計ソフトをまだ決めていない → Misoca。月10通までなら無料で、3社どの会計にも仕訳を送れます
郵送が多い業種でも、1通210円前後で3社ほぼ同じです。郵送の料金で選ぶ必要はありません。
会計ソフトそのものの選び方は、クラウド会計ソフトおすすめ3選|マネーフォワード・弥生・freeeを簿記の視点で比較で書いています。
5. 筆者が使っているツール
筆者は、確定申告と同じマネーフォワード クラウド(個人向けのパーソナルプラン)を契約しています。4章で書いたとおり、確定申告のプランに請求書の機能が入っているので、請求書のために別の契約はしていません。
正直に書くと、開業してまだ請求書を出す取引がなく、1枚目はこれからです。1枚目を出したら、かかった時間と迷ったところをこの章に書き足します。
まとめ
- 請求書の形は自由。インボイス登録している方は6つの項目と登録番号を忘れずに
- 2割特例は2026年分まで。2027・2028年分は3割特例になり、同じ売上でも納める額が増えます
- 請求書ツールは会計ソフトに合わせて選ぶ。3つとも無料で始められます
会計ソフトを先に決める方は、公式ページで無料期間の条件を確かめてから始めてください。
- 簿記の知識があり、請求書から確定申告まで1社でまとめたい → マネーフォワード クラウド
- サポートの手厚さで選ぶ(請求書は Misoca)→ やよいの青色申告オンライン

- 簿記は苦手、スマホで済ませたい(請求書は freee請求書)→ freee会計


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