副業の確定申告|「20万円」の線は売上ではなく所得。住民税の申告と、会社員が気をつけること【2026年分】

副業の確定申告|「20万円」は所得の線

副業を始めると、「20万円を超えたら確定申告」という話をよく聞きます。でもこの20万円は、売上のことではありません。それに、20万円以下でも住民税の申告は要るのが原則です。

この記事では、会社に勤めながら副業をしている人に向けて、国税庁と市の公式ページで確かめた確定申告の線と、住民税で気をつけることをまとめます。

先に結論です。

  • 勤め先が1か所で年末調整を受けている会社員は、給与と退職以外の所得の合計が年20万円以下なら、原則として所得税の確定申告は要りません(同族会社の役員などは別)
  • 20万円は所得=売上から経費を引いた額で数えます
  • 20万円以下でも、住民税の申告は要ります(市区町村へ)
  • 医療費控除やふるさと納税で確定申告をするなら、20万円以下の副業の所得も書きます
  • 会社員の副業は、ふつう雑所得。帳簿をつけて事業と言える規模なら事業所得になることもあります

⚠ この記事の情報について

国税庁のタックスアンサー(令和8年4月1日現在の法令による)、法令、財務省、市の公式ページを2026年10月26日に確認して書いています。2026年分(令和8年分)の申告を前提にしています。この記事は一般的な情報で、あなたの場合についての税務の相談ではありません。迷ったら税務署か税理士に確かめてください。

目次

1. 「20万円以下なら申告不要」の条件

国税庁は、給与をもらっている人の大部分は年末調整で納税が終わるので確定申告は要らない、としています。そのうえで、確定申告が要る人として次のような人を挙げています。

  • 1か所から給与をもらっていて、給与(と退職)以外の所得の合計が20万円を超える人
  • 2か所以上から給与をもらっていて、年末調整されなかった給与の収入と、給与以外の所得の合計が20万円を超える人(例外あり)
  • 給与の収入が年2,000万円を超える人
  • 同族会社の役員などで、その会社から貸付金の利子や資産の賃貸料などを受け取っている人 など

会社員の副業でいちばん多いのは、1つ目の形です。勤め先が1か所で年末調整を受けていて、給与と退職以外の所得(副業のほか、ほかの雑所得や不動産所得なども合わせた額)が年20万円以下なら、原則として所得税の確定申告は要りません(同族会社の役員で会社から利子や賃料を受け取っている人などは別です)。アルバイトを掛け持ちしているなど、給与が2か所以上から出ている人は、2つ目の形で数えます。

出典:国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人(2026年10月26日確認)

20万円は「所得」で数える

20万円は、売上(収入)ではなく所得で数えます。副業の所得は、収入から必要経費を引いた額です。

例金額
副業の収入(1年分)300,000円
必要経費(材料・送料・通信費の仕事の分など)−120,000円
所得180,000円(20万円以下)

この例なら、売上は20万円を超えていても、所得は20万円以下です。そのためには経費を説明できる記録(領収書・レシート・取引の記録)を残しておくことが大切です。

出典:国税庁 No.1500 雑所得(2026年10月26日確認)

医療費控除などで申告するなら、20万円以下でも書く

「20万円以下なら申告不要」は、申告しなくてよい場合の決まりです。医療費控除やふるさと納税(ワンストップ特例を使わない場合)などで確定申告をするときは、20万円以下の副業の所得もあわせて申告します。国税庁のQ&Aでもそう説明されています。

出典:国税庁 No.1900 Q&A(2026年10月26日確認)

2. 20万円以下でも、住民税の申告は要る

「20万円以下なら申告不要」は所得税の話です。住民税には、この20万円の線がありません。名古屋市・横浜市・川崎市はどれも、給与以外の所得が20万円以下でも住民税の申告が要る、と案内しています。

  • 所得税の確定申告をしない人は、住んでいる市区町村に住民税の申告をします
  • 所得税の確定申告をした人は、住民税の申告もしたものとみなされるので、別に出す必要はありません(横浜市の案内)

申告の期限や出し先は市区町村ごとに違います。住んでいる市区町村のページで確かめてください。

出典:名古屋市/横浜市/川崎市(2026年10月26日確認)

3. 副業の所得は「雑所得」か「事業所得」か

会社員の副業の所得は、ふつう雑所得(その中の「業務に係る雑所得」)です。国税庁は、雑所得の例に「副業に係る所得」を挙げています。

では、どこから事業所得になるのか。国税庁は2022年(令和4年)10月に通達を改め、次のように整理しています。

  • 事業所得かどうかは、その活動が社会通念上、事業と言える程度かで決める
  • 取引を記録した帳簿書類を残していない場合は、原則として雑所得(収入が300万円を超え、事業所得と認められる事実がある場合を除く)
  • 帳簿を残していれば、一般には事業所得になることが多い。ただし、収入が例年300万円以下で、主な収入に対する割合が10%未満のように少ない場合などは、個別に判断する(国税庁の解説の例)

雑所得のままだと、青色申告の特別控除(65万円など)は使えません(青色申告ができるのは、事業所得・不動産所得・山林所得のある人です)。雑所得の赤字は、給与などほかの所得と差し引きできません。

出典:国税庁 No.1500 雑所得/所得税基本通達の改正(令和4年10月7日)/同 解説(PDF)/No.2070 青色申告制度(2026年10月26日確認)

4. ポイ活・フリマ・アフィリエイトはどうなる?

ポイ活のポイント

買い物をしたお店(その企業)が、代金に応じてつけるポイントは、値引きと同じ扱いで、税金の対象になりません。一方、キャンペーンの抽選で当たったポイントや、共通ポイントの運営会社から付与されたポイントを使った場合は、使った年の一時所得などになります。一時所得は、収入から、それを得るために使ったお金と、最高50万円の特別控除を引き、残りの2分の1をほかの所得と合わせます。

出典:国税庁 No.1907 企業発行ポイントの取扱い/No.1490 一時所得(2026年10月26日確認)

フリマで不用品を売った

家具・衣服など生活に通常必要な物を売った所得は、税金がかかりません(1個〈1組〉30万円を超える貴金属・宝石・書画・骨とうなどは別)。一方、もうけるために仕入れて売ることをくり返すと、雑所得などになります。

出典:国税庁 No.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法(2026年10月26日確認)

アフィリエイト・ブログの広告

アフィリエイトの収入も、副業として続けているなら、3章の考え方で雑所得か事業所得かを考えます。国税庁は、会社員がホームページの広告収入を申告していなかった例を、無申告の事例として紹介しています。

出典:国税庁レポート2020(2026年10月26日確認)

5. 副業の住民税の納め方(普通徴収)

会社員の住民税は、ふつう給料から天引きされます(特別徴収)。法律では、給与以外の所得(雑所得・事業所得など)の分の住民税は、申告のときに「自分で納付(普通徴収)」を選べることになっています。選ぶと、その分の納税通知書は自宅に届きます。

ただし、次のことに気をつけてください。

  • 副業がアルバイトなどの「給与」なら、選べません。主な勤め先でまとめて天引きされます(大阪市の案内)
  • 給与を2か所以上から受けていてほかの所得がない人や、給与と公的年金だけの人は、確定申告書等作成コーナーや e-Tax で徴収方法を選べません。その場合は市区町村に住民税の申告書を出して選びます(横浜市の案内)。扱いは市区町村ごとに違います
  • 所得が赤字のときや、ふるさと納税の控除が大きいときなどは、選んでも天引きになることがあります(東京都中央区の案内)
  • 東京都中央区は、2026年分の所得(令和9年度の住民税)から、2か所目以降の給与の分も主な勤め先でまとめて天引きすると案内しています

ここで引いた市区町村のページは、副業が会社に知られないとは約束していません。最終的な扱いは市区町村しだいです。副業をしてよいか、届け出が要るかは、勤め先の就業規則で確かめてください。

出典:地方税法 第321条の3(e-Gov)/大阪市 Q&A Q18/横浜市 徴収方法の選択/東京都中央区 給与所得が複数ある場合(2026年10月26日確認)

6. 申告の期限と、スマホでの出し方

  • 確定申告の期間は、原則翌年の2月16日から3月15日までです。2026年分の具体的な日付は、国税庁の発表で確かめてください
  • 還付を受けるための申告は、2月16日より前でも出せます
  • 国税庁の確定申告書等作成コーナーはスマホでも使え、作ったものをそのまま e-Tax で送れます。マイナンバーカードがあれば、医療費などの情報も取り込めます

出典:国税庁 No.2020 確定申告/No.2030 還付申告/国税庁 スマホ申告の案内(2026年10月26日確認)

7. 副業を「事業」にするなら

副業が大きくなり、事業として続けるなら、開業届を出して青色申告にする道があります。開業届の期限は、今の所得税法では開業した年分の確定申告の期限までです。青色申告の承認申請は、原則その年の3月15日まで(1月16日以後に開業したら、開業から2か月以内)です。

なお、青色申告の特別控除は、2027年分(令和9年分)から、55万円の枠を(e-Tax での提出を要件に)65万円に、65万円の枠を(電子の帳簿などの要件を足して)75万円に引き上げる予定です(令和8年度の税制改正の大綱)。くわしくは下の記事にまとめています。

出典:所得税法 第229条(e-Gov)/国税庁 No.2090 新たに事業を始めたときの届出など/財務省 令和8年度税制改正の大綱(2026年10月26日確認)

よくある質問

Q. 副業の売上が25万円、経費が8万円。確定申告は要りますか?

勤め先が1か所で年末調整を受けていて、ほかに給与以外の所得がなければ、所得は17万円で20万円以下なので、原則として所得税の確定申告は要りません(同族会社の役員などは別)。ただし住民税の申告は要ります。医療費控除などで確定申告をするなら、この17万円も書きます。

Q. メルカリで家の不用品を売りました。申告は要りますか?

自分で使っていた服や家具などを売った所得には、税金がかかりません(30万円を超える貴金属・宝石・書画・骨とうなどは別)。仕入れて売るのをくり返している場合は、雑所得などとして数えます。

Q. 雑所得でも青色申告できますか?

青色申告ができるのは、事業所得・不動産所得・山林所得のある人です。雑所得だけなら、青色申告の特別控除は使えません。

まとめ

  • 「20万円」は所得=売上から経費を引いた額(給与と退職以外の所得の合計)。勤め先1か所・年末調整ありの会社員の、原則の線
  • 20万円以下でも住民税の申告は要る
  • 確定申告をするなら、20万円以下の副業の所得もあわせて書く
  • 副業はふつう雑所得。帳簿と規模しだいで事業所得
  • 住民税の普通徴収は、給与以外の所得なら選べることがある。最後は市区町村しだい

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この記事を書いた人

2026年9月に脱サラして開業した個人事業主。行政で許認可・届出の審査、民間企業で新規事業の企画・開発に携わってきました。開業の手続きやお金のことを、公式の情報で確かめてまとめています。保有資格:全経簿記上級、FP2級 ほか。

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