作ったものをネットで売ってみたい。でも月額のかかるサービスはまだ早い。そう考えたときに候補に挙がるのが、BASE と STORESです。どちらも無料で始められますが、売れたときに引かれる額と、お金が振り込まれる仕組みが違います。
先に結論です。
- 1つ数百〜数千円のものを少しずつ売るなら、STORES のフリープランのほうが引かれる額は少なめです(BASE は1注文ごとに40円がかかるため)
- 入金は、BASE が自分で申請する形、STORES が月末締め・翌月末の自動振込です。どちらも少額で振り込むと割高になります
- 自宅の住所と電話番号は、どちらも代わりの表示にできます。氏名は隠せない前提で考えてください(STORES は公式に明記)
⚠ この記事の数字について
料金と仕組みは2026年10月12日に両社の公式ページで確認したものです。月額は税込です。STORES の「ベーシックプラン」は新規の受付を終えていて、いまの有料プランは「スタンダードプラン」です。料金は改定されるので、申し込む前に公式ページでご確認ください。
1. 料金プランを並べる
| プラン | 月額・売れたときに引かれるもの |
|---|---|
| BASE スタンダード | 月額0円/決済手数料3.6%+40円(PayPay・Amazon Pay・PayPal は4.6%+40円)+サービス利用料3% |
| BASE グロース | 月額16,580円(年払い)/決済手数料2.9%(PayPay など3.9%)・サービス利用料なし |
| STORES フリー | 月額0円/決済手数料5.5%(PayPay・後払いなど6.5%) |
| STORES スタンダード | 月額3,300円(年契約)・3,960円(月契約)/決済手数料3.6%(PayPay など4.6%) |
手数料は1注文ごとに、送料を含めた金額にかかります。STORES には1注文あたりの固定の金額はありません。
出典:BASE 料金・スタンダードプラン・グロースプラン/STORES ネットショップ 料金・ベーシックプランの受付終了(いずれも2026年10月12日確認)
2. 1,000円の商品が1つ売れたら、いくら残るか
クレジットカードで、送料0円、月額は入れずに計算するとこうなります(公式の計算方法にもとづく試算)。
| プラン | 引かれる額 → 残る額 |
|---|---|
| BASE スタンダード | 76円+30円=106円 → 894円 |
| STORES フリー | 55円 → 945円 |
| STORES スタンダード | 36円 → 964円(別に月額3,300円) |
| BASE グロース | 29円 → 971円(別に月額16,580円) |
月額のかかるプランが得になるのは、売上がかなり増えてからです。たとえば STORES はフリーとスタンダードの差が1.9%なので、月の売上がおよそ17万円を超えるとスタンダードのほうが安くなります(3,300円÷1.9%で計算した目安)。最初は無料プランで十分です。
3. お金が振り込まれる仕組み
BASE:自分で申請する
- 注文を「対応済」にすると売上がたまり、自分で振込を申請します。申請から10営業日で振り込まれます
- 振込手数料は250円。申請額が2万円未満だと、さらに事務手数料500円がかかります
- 申請には期限があります(対応済にした月から6か月後の月末まで)。過ぎると売上がなくなります
STORES:月末締め・翌月末に自動で振り込まれる
- 申請は要りません。月末で締めて、翌月末に自動で振り込まれます
- 振込手数料は275円。「1万円未満でも振り込む」設定にすると、事務手数料275円も加わります。1万円未満は翌月に繰り越す設定なら、振込手数料だけです
- 売上は注文から180日で失効します
どちらも、少しずつ振り込むほど手数料の割合が重くなります。BASE は2万円以上、STORES は1万円以上たまってから振り込むのが割安です。
出典:BASE 振込申請/STORES 売上の振込(いずれも2026年10月12日確認)
4. 自宅の住所を出さずに「特商法の表記」をするには
ネットショップは通信販売なので、特定商取引法にもとづく表記(氏名・住所・電話番号など)が要ります。自宅で開業している方にとって、ここがいちばんの悩みどころです。
- BASE:「個人」のショップは、住所と連絡先を非公開にでき、表記にはBASE の会社の住所・連絡先が出ます。ただし本当の住所・電話番号は正しく登録し、発送元は自分の住所・電話番号、納品書にも自分の住所が載ります
- STORES:個人・個人事業主は「STORES の情報を表示」を選ぶと、STORES の会社の所在地・電話番号が出ます。ただし氏名(フルネーム)は隠せません。バーチャルオフィスの住所は登録できず、初めての入金までに本人確認が要ります
どちらも表示を代わりに出すだけで、表示の義務がなくなるわけではありません。お客さんから正当な求めがあれば、本当の連絡先が伝わることがあります。
法律の上では、「請求があれば遅滞なく提供します」と表示し、実際にすぐ出せるようにしておけば、氏名・住所・電話番号を省けることになっています。
出典:BASE 住所・連絡先の非公開/STORES 所在地・電話番号の表示/消費者庁 特定商取引法ガイド「通信販売」(いずれも2026年10月12日確認)
5. 選び方のまとめ
- まず試したい・1つの値段が安い → STORES のフリープラン(1注文ごとの40円がない)
- 自宅の住所・電話番号を出したくない → どちらでもできる(発送元は自分の住所・電話番号になる点は同じ)
- 入金の手間をなくしたい → STORES(申請なしの自動振込)
- 売上が月十数万円を超えてきた → 有料プランへの切り替えを計算する
売れたら、売上は「お客さんが払った金額」、手数料は経費として帳簿に入れます。振り込まれた金額だけを売上にすると、売上も経費も小さく記録されてしまいます。帳簿のつけ方はクラウド会計ソフトの比較へ。
6. 筆者が STORES で店を開いてみて
筆者は2026年10月に、STORES のフリープランで、教材とアプリをダウンロード販売するお店を開きました。フリープランでもダウンロード販売ができます。
- 登録にかかった時間:アカウントを作ってからお店の登録が終わるまで約20分。特商法の表示の入力までで40分ほどでした
- 特商法の表示:筆者は事業用に借りている場所があるので、「STORES の情報を表示」は使わず、自分の事業者情報をそのまま出しています
- つまずいた点①:クレジットカード決済の審査は、お店を公開するまで申し込めません。先に商品を1つ登録して公開し、そのあと申し込みました。審査には数日かかります(この記事を書いた時点で審査中)
- つまずいた点②:カードの審査を申し込む前に使えた決済は7つ(楽天ペイ・PayPal・ペイディ・atone・キャリア決済・コンビニ決済・銀行振込)。申し込んだあと、使える決済が2つ増えて9つになりました。特商法の「支払方法」の欄は、実際に使える決済に合わせて直す必要があります
- つまずいた点③:ダウンロード商品のファイル名は、半角の英数字・ハイフン・アンダーバーだけしか使えません。日本語のファイル名は付け直しました
開いてみて感じたのは、「登録はすぐ終わるが、カード決済が使えるまでに数日かかる」ということです。売り始めたい日があるなら、少し早めに開いておくと安心です。

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